質問
梁要素でモデル化するとき、要素長さはどのくらいが適切ですか?
回答
要素の間隔が密なほど、正解に近い結果が得られますが、ハードウェアの性能を考慮して適切な要素長さに分割する必要があり、適切な要素間隔は使用者が直接判断しなければならない部分です。有限要素解析で結果の精度に最も大きな影響を与える要因は、要素間隔、計算の増分ステップ、要素次数です。このうち、要素間隔による結果精度の違いを下図を用いて説明します。
上図において(a)は要素間隔が広く、(c)は要素間隔が密な場合で、灰色の線を正解、オレンジ色の線を数値解析結果と仮定します。上図に示すように(a)の数値解析結果は正解と差が大きいのに対して(c)では正解とほぼ同じ結果が得られています。これらの要素間隔による解析精度の差は、応力集中部でより顕著に現れます。
上図ではモーメントの正解を灰色の線だと仮定します。支点や集中荷重が載荷される部分では、上図のように応力が集中します。この部分では(d)のように要素間隔が大きい場合と(f)のように要素間隔が密な場合で、誤差が大きく変わってきます(ちなみに、板要素とソリッド要素ではある程度の要素密度になれば、結果値が一定の値に収束します) 。有限要素解析プログラムを使用することは、ハードウェアの性能を発揮できる範囲内で実際の構造物を有限の節点と要素で表現することを前提にします。要素の間隔が密であるほど、正解に近い結果が得られますが、使用者はハードウェアのパフォーマンスと解析の精度を考慮して、適切な要素間隔を決める必要があります。