質問
小さな剛性を入力すると、 Singular Errorを防げる理由について知りたいです。
回答
midas Civilの線形静的解析で使用する基本方程式を用いて説明します。
構造解析では実際の構造と違いますが、不安定な状態を避けるために、任意の境界条件を入力する場合があります。たとえば、地中構造物の解析時に非対称な水平変位が発生したときに水平方向のSingular Errorを防ぐために、水平方向に境界条件を入力します。また、橋の場合、支承に変位や回転に対する剛性がなくても、不安全な状態を避けるために構造物の挙動に影響を与えないほどの小さな剛性を当該の弾性連結要素に入力する場合があります。
このように小さな剛性を入力するとSingular Errorが防げる理由を線形静的解析に使用される基本方程式を用いて説明します。midas Civilの線形静的解析に使用される基本方程式は次の通りです。
[K]{U}={P}
ここに、
[K]:構造物の全体剛性行列
{U}:すべての自由度の変位ベクトル
{P}:作用した荷重ベクトル
構造物に荷重が作用して剛性がないと、解析中に構造物が不安定になり、無限の変位が発生する可能性があります。
[0]={1}/{∞}
したがって、構造体の実挙動に影響を与えないほどの剛性を入力して、Singular Errorを防ぎます。