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杭基礎の集約バネ生成

概要

杭基礎をモデル化する一つの方法として、6x6マトリックスの集約バネを用いて杭基礎の剛性を考慮する方法があります。

ここでは、日本の道路橋示方書_下部構造編に基づいて、杭基礎の剛性を計算します。

杭基礎の諸元(杭種、上杭・下杭、鉄筋など)と配置情報を入力し、地盤情報を入力します。

杭の特性値、軸方向バネ定数(Kv)、軸直角方向バネ定数(K1~K4)、および並進と回転の連成バネ定数を計算できます。

 

最後に、計算されたバネ定数は CIVIL NX の汎用バネのプロパティとして入力されます。

 

  • 杭の諸元と地盤情報に基づいて、変位法を用いて、6x6 剛性マトリックスを計算します。

  • 常時、地震時、固有周期計算用のばね定数をそれぞれ計算します。

  • 杭の種類 : 場所打ち杭、PHC杭、SC杭、鋼管杭、鋼管ソイルセメント杭

  • 複合杭(上部と下部に異なる杭タイプを使用)、群杭、単杭をサポートします。

 

バージョン

  • v1.1.0 : Release

 

適用規準

  • 日本 道路橋示方書 下部構想編, 平成24年

 

特徴

杭基礎のモデリングには、固定点モデル、仮想固定点(ベータ)モデル、p-y曲線モデル、6x6一般バネモデルなど、いくつかの手法があります。

本プラグインでは、6x6 一般バネ法を用いて杭の剛性マトリックスを計算し、汎用バネ支持データを自動生成します。

本プラグインでは、従来のExcelや杭の設計ソフトウェアを用いて行っていた杭基礎のばね剛性計算をを自動化します。

計算結果はExcelの計算シートで確認できます。

 

使用方法

杭基礎の剛性マトリックスを計算するには、「杭情報」タブで杭の諸元を入力し、「地盤情報」タブで地質情報を入力します。

 

1. 杭情報の入力

[杭情報 タブ]

 

「杭情報」タブで、杭の諸元を入力し、杭の配置を設定します。

単杭、群杭、混合杭(上部と下部に異なるタイプの杭を使用)をサポートしており、以下のタイプがサポートされています。

 

  • 杭の種類別:場所打ち杭、PHC杭、SC杭、鋼管杭、鋼管ソイルセメント杭
  • 工法別:打込み杭(打撃工法)、打込み杭(バイブロハンマ工法)、場所打ち杭、中堀り杭、プレボーリング杭、鋼管ソイルセメント杭、回転杭

 

杭の配置については、「道路橋示方書 下部構造編の杭基礎の設計」の座標系に従い、Midas CIVIL NXに読み込む際は CIVIL NX の座標系に変換されます。

マトリックスを計算するには、「杭情報」タブで杭の諸元を入力し、「地盤情報」タブで土質定数を入力します。

 

2. 地盤情報の入力

[地盤情報 タブ]

 

地盤情報タブでは、土質定数と水平方向地盤反力係数の低減を設定します。

粘性土、砂質土、砂礫土の土層とN値を入力すれば、道路橋示方書に従ったせん断波速度(Vsi)を自動計算することができます。さらに、液状化層、斜面効果、群杭効果による水平方向地盤反力係数(KH)の低減を考慮するオプションも用意されています。

 

3. 汎用ばね支持の作成

[読み込み タブ]

 

杭基礎の集約バネの剛性結果を確認した後、6x6の汎用バネをMIDAS CIVIL NX に入力します。

タイプ1とタイプ2は、プラグインの荷重座標系をCIVIL NX の座標系に合わせるための設定です。

 

注記

杭の特性値β の計算フローチャート

[杭の特性値β の計算フローチャート]

 

本プラグインを使用すると、杭の特性値β を計算できます。6x6 汎用バネでモデル化せず、仮想固定点モデルを適用する場合は、Excel計算シートに出力される杭の特性値を用いて仮想固定点の位置を決定することができます。

Excel計算シートを用いて混合杭の特性値を計算する場合、一般的には上部杭の断面特性(EI)と単体の地盤反力係数(KH)を用いて特性値を決定します。

本プラグインでは、上部杭と下部杭の諸元だけでなく、補強部も考慮し、多層地盤の地盤反力係数を考慮して杭の特性値を計算します。

 

杭の軸方向ばね定数 (Kv)

[杭の軸方向ばね定数(Kv)の計算 ]

 

軸方向ばね定数は、道路橋示方書_下部構造編_平成24年に基づいて計算します。

露出杭の場合、補正係数は適用されません。”SC杭+PHC杭” の場合はPHC杭の断面特性のみを考慮します。

混合杭の場合、軸方向ばね定数は直列ばね剛性式を用いて計算します。

 

 

杭の軸直角方向ばね定数 (K1~K4)

道路橋示方書_下部構造編における杭の軸直角方向ばね定数は次のように計算されます。

[杭の軸直角方向ばね定数の算出方法]

 

上記の式は、単層地盤(水平方向地盤反力係数が深さによらず一定)および杭の断面特性(EI)が一定である場合の一般式です。

本プラグインでは、多層土や混合杭にも対応できるようにフレーム解析法を用いて下式で計算します。

 

[軸直角方向ばね定数の算出方法(フレーム解析法)]

 

単層地盤・単杭の場合は、道路橋示方書の一般式と同じ結果が得られます。

 

 

まとめ

本プラグインを使用すると、杭基礎を集約ばねでモデル化する際の汎用バネを簡単に作成できます。

さらに、仮想固定点モデルを適用する際は、EXCEL計算シートの杭の特性値を利用して固定点の位置を決定することができます。

 

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