概要
「Artificial Earthquake Generator」は、ASCE 7-22 規格に基づき、時刻歴解析用の応答スペクトルおよび人工地震波を生成する MIDAS Civil NX 用のプラグインです。USGS(アメリカ地質調査所)の Seismic Design Geodatabase から取得したデータを用いて、設計スペクトルや人工地震波を生成し、グラフとして可視化します。
バージョン
- v1.0.0 : リリース
適用規準
- 米国建築規準 (ASCE7-22)
特徴
このプラグインは、USGS地震設計地理データベースから取得したデータに基づき、ASCE7-22基準に準拠した応答スペクトルデータを提供します。指定された地域の緯度と経度データを取得し、以下の4種類のRSデータを提供します:
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二期間設計スペクトル(Two-Period Design Spectrum)
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二期間 MCEr スペクトル(Two-Period MCEr Spectrum)
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多期間設計スペクトル(Multi-Period Design Spectrum)
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多期間 MCEr スペクトル(Multi-Period MCEr Spectrum)
さらに、生成されたRSデータに基づき、RSマッチング(スペクトルマッチング)手法により、ターゲットスペクトルに一致する人工地震波データを作成します。
- 規格に準拠した高精度な応答スペクトルおよび人工地震波を生成します
- USGS データを用いて、信頼性の高い解析結果を提供します
- 生成されたデータをグラフとして表示し、分析を容易に
- 設計基準の選択やデータ入力が直感的に行えるインターフェース
使用方法
1. スペクトル基準の選択
プラグインを起動し、設計スペクトル基準(ASCE7-22)を選択します。
2. 対象地域の入力
対象となる地域の住所または緯度・経度を入力し、「Search」ボタンをクリックして地震データを取得します。
3. 地震データの入力
「Seismic Data」セクションで、以下の情報を入力します:
- リスクカテゴリ(Risk Category):構造物の重要度に応じた分類
- 地盤種別(Soil Site Class):地盤の特性に基づく分類
- 設計スペクトルオプション(Design Spectrum Option):使用する設計スペクトルの種類
4. 設計スペクトルの計算
「Calc. Design Spectrum」ボタンをクリックして、応答スペクトルを計算します。
5. 人工地震波の設定
地震規模を考慮し、以下のパラメータを入力します:
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立ち上がり時間(Rise)
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最大加速度(Level)
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全継続時間(Total Time)
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減衰比(Damping Ratio)
6. 人工地震波の生成
「Calc. Artificial Earthquake」ボタンをクリックして、時刻歴関数データを生成します。
7. 結果の分析
生成されたデータは、スペクトル形式や加速度時刻歴グラフとして表示され、分析に利用できます。
8. データの更新
「Update RS Function」または「Update TimeHistory Function」ボタンをクリックして、生成されたデータを MIDAS Civil NX にインポートします。
注記
応答スペクトルデータの生成方法
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対象地域を検索し、「Seismic Data」に地震リスク係数および地震地域係数を入力します。
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「Calc. Design Spectrum」ボタンをクリックすると、USGS のデータベースに基づいた応答スペクトルデータが出力されます。
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可視化された結果とテキスト結果を確認後、「Update RS Function」ボタンをクリックして、Civil NX にデータをインポートします。
時刻歴解析用の人工地震波の生成方法
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設計スペクトルで設計基準を選択し、エンベロープ関数データ、最大加速度、減衰比などの関数入力データを入力します。
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「Calc. Artificial Earthquake」ボタンをクリックすると、人工地震波が生成され、スペクトルまたは加速度グラフ形式に変換されます。
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結果を確認後、「Update TimeHistory Functions」ボタンをクリックして、Civil NX にデータをインポートします。
生成された人工地震波は、「グラフタイプ」の設定により、スペクトル形式や加速度時刻歴グラフに変換できます。
まとめ
このプラグインを使用することで、ASCE 7-22 規格に基づいた応答スペクトルおよび人工地震波を効率的に生成・分析できます。設計基準の選択からデータの可視化、Civil NX へのインポートまで、一連の作業がスムーズに行えます。