概要
「Breakdown Load Combination」プラグインは、MIDAS CIVIL NX で作成された複雑な荷重組み合わせを、CIVIL NX の基本荷重ケースに基づいて分解し、構造物への各荷重の影響を詳細に分析するためのツールです。
バージョン
- v1.0.0 : リリース
適用規準
- 一般用途
特徴
MIDAS CIVIL NX では、以下の7つの基本荷重ケースが用意されています:
静的荷重、移動荷重、施工段階、温度荷重、応答スペクトル、支点沈下、プッシュオーバー。
これらを組み合わせて、「どの荷重が構造にとって最も厳しいか」を判断します。
設計コードによっては、非常に多くの荷重組み合わせが必要になります。特に Eurocode では、複雑な組み合わせと変動係数の考慮が求められます。
そのため、ユーザーは「荷重組み合わせの流れ」をあらかじめ想定し、検討を進めていきます。
設計条件に到達するまで、基本荷重ケースと組み合わせを繰り返し確認することになりますが、この過程でどのケースが構造にとって不利かを見つけるのは簡単ではありません。
最終的には、影響の大きい荷重組み合わせを見つけ出し、それがどのような荷重ケースで構成されているのかを遡って確認したいというニーズがあります。
使用手順
1. 解析と荷重組み合わせの作成:
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MIDAS Civil NX で解析を実行し、荷重組み合わせを作成します。
2. 要素の選択とインポート:
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Civil NXで要素を選択し、「Import Load Combinations」ボタンをクリックします。
3. 分解対象の選択と設定:
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分解対象となる荷重組み合わせ、要素端部、エンベロープタイプ、および対応する力/モーメントを選択し、「Breakdown data」ボタンをクリックします。
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必要に応じて、プレフィックス名も入力できます。
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4. 分解された荷重組み合わせの生成:
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新しく、分解された荷重組み合わせが作成されます。
注記
1. 解析後の使用:プラグインは「PostCS」および「結果表示モード」状態で使用してください。
2. 要素の制限:同時に確認できる要素は最大5つまでです。
3. 荷重組み合わせのプレフィックス:
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LCB プレフィックスが指定されている場合、生成された荷重組み合わせ名に組み込まれます。
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指定されていない場合、選択された荷重組み合わせに基づいて名前が作成されます。
- 分解された荷重組み合わせ名の文字数制限は20文字です。荷重ケース名やプレフィックス名を調整してください。
4. 荷重ケースの基準:「強度/応力度」、「使用性」または「アクティブ」は「アクティブ」列で選択されていることを確認してください。
5. 荷重ケースのタイプ:「追加」または「エンベデッド」タイプが「タイプ」列で選択されていることを確認してください。
6. コードの制限:南アフリカおよびフランスの移動荷重はサポートされていません。
7. 荷重係数の制限 : 移動荷重や沈下荷重などの非対称荷重には、正の荷重係数のみを使用してください。これらの荷重ケースには負の荷重係数は許可されていません。
まとめ
「Breakdown Load Combination」プラグインを使用することで、MIDAS Civil NX の基本荷重ケースを活用して、複雑な荷重組み合わせをより管理しやすい形に変換できます。このツールは、エンジニアが詳細かつ正確な影響分析を実施し、構造評価の精度を向上させるための強力な支援となります。