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General Link 作成 編集

汎用リンク要素のプロパティ定義

機能

  • 汎用リンク要素のプロパティを入力, 修正, 削除します。汎用リンク要素は制振装置, 免震装置, 圧縮または引張専用要素, 塑性ヒンジ, 地盤バネ などをモデリングするのに使用される要素です。汎用リンク要素は、バネの特性を利用して線形および非線形属性を付与できます。
境界非線形(免震 , 制振) 時刻歴応答解析を行うための作業フロー
入力設定手順 メニュー

1. 材料定義

[材料/断面] タブ > [材料特性] グループ > [材料特性]

2. 断面定義

[材料/断面] タブ > [断面] グループ > [断面]

3. 要素生成

[節点/要素] タブ > [一般] グループ > [生成] > [要素生成]

4. 汎用リンク要素のプロパティ定義

- 線形特性

- 非線形特性

[境界条件] タブ > [リンク] グループ > [汎用リンク要素] > [汎用リンク要素のプロパティ定義]

5. 汎用リンク要素の入力

[境界条件] タブ > [リンク] グループ > [汎用リンク要素] > [汎用リンク要素]

6. 境界条件

[境界条件] タブ > [支持] グループ > [支持条件]

7. 静的荷重の入力

[荷重] タブ > [荷重タイプ:静的荷重] > [静的荷重] グループ > [自重]

[荷重] タブ > [荷重タイプ:静的荷重] > [圧力荷重] グループ > [床荷重の指定] > [床荷重の指定]

8. 質量の設定

[プロジェクト] タブ > [基本設定] グループ > [基本設定]

[荷重] タブ > [荷重タイプ:静的荷重] > [質量] グループ > [質量]

9. 時刻歴応答解析

1) 重力方向荷重に対する時刻歴荷重を生成

- 時刻歴荷重条件の定義

- 時刻歴荷重関数の定義

- 静的荷重制御データの入力

2) 地震荷重に対する時刻歴荷重生成

- 時刻歴荷重条件の定義

- 時刻歴荷重関数の定義(地震波入力)

- 地盤加速度入力

[荷重] タブ > [タイプ:地震荷重] > [時刻歴応答解析データ] グループ >

[荷重ケース]
[時刻歴荷重]
[静的荷重制御]
[地震荷重制御]

10. 固有値解析制御入力(Ritz ベクトル)

[解析] タブ > [解析制御] グループ > [固有値解析]

11. 解析実行

[解析] タブ > [解析実行] グループ > [解析実行]

12. 解析結果確認

- 変位/速度/加速度
- 断面力
- 応力度
- 時刻歴グラフ

[結果] タブ > [タイプ:時刻歴] > [時刻歴結果] >

[変位/速度/加速度]
[断面力(梁/壁/トラス/汎用リンク)]
[応力度(梁/トラス)]
[時刻歴グラフ]

 

 

経路

メインメニュー: [境界条件] タブ > [リンク] グループ > [汎用リンク要素] > [汎用リンク要素のプロパティ定義]

 

入力

汎用リンク要素のプロパティ定義 ダイアログボックス

 

追加:汎用リンク要素のプロパティを新規入力または追加する場合

修正:入力されている汎用連結要素のプロパティを修正する場合

削除:入力されている汎用連結要素のプロパティを削除する場合

 

汎用リンク要素のプロパティの追加/修正 ダイアログボックス

名称

汎用リンク要素プロパティの名称を入力します。

解説

プロパティの簡単な説明を入力します。

 


適用タイプ

汎用リンク要素の適用方法を選択します。解析に適用されるタイプは、大きく要素タイプと力タイプに分けられます。

バネ要素タイプ:バネ要素の汎用リンク要素は、解析過程で要素剛性行列を更新することで要素の非線形挙動を直接反映します。

リンク要素タイプ:リンク要素の汎用リンク要素は、要素剛性行列を更新せず、非線形特性によって計算された部材力を外部荷重に変換することで、間接的に非線形性を考慮します。

プロパティタイプ

適用方式による具体的な連結要素を表します。バネ要素タイプの汎用リンク要素には、バネ , 線形ダッシュポット , バネと線形ダッシュポット の3つのタイプを提供します。

リンク要素タイプの汎用リンク要素には、制振装置として利用する粘弾性ダンパー , 弾塑性ダンパーと、免振装置として利用する鉛プラグ入り積層ゴム型免震装置 , 滑り振り子型免震装置があり、圧縮要素のギャップおよび引張要素のフックなどの6つのタイプを提供します。

NOTE.png

バネ要素(6自由度-Dx , Dy , Dz , Rx , Ry , Rz)タイプで、線形および非線形特性が割り当てられた場合、線形および非線形分析を行うことができます。非線形特性は、材料/断面 > 非線形特性 > 非線形特性の定義 で定義できます。

 


自重

汎用リンク要素の総重量を入力します。入力された重量は、要素の両端の節点に半分ずつに分配され、静的荷重または質量に変換されます。分配比率を入力することで、各端部にかかる自重を比率を指定することができます。

 


質量

汎用リンク要素の総質量をユーザー指定できます。

NOTE.png

入力した総重量は、静的解析では荷重>自重で指定した方向に適用され、動的解析では節点質量に変換されます。また、総重量から変換した節点質量とは別に特定の質量を使用する場合は、質量を使用にチェックを入れ、総質量を入力します。ただし、解析モデルの基本設定>自重を質量に変換で「変換しない」を選択(チェックオフ)した場合、総重量と総質量から変換した節点質量は解析に反映されません。

 


線形プロパティ

汎用リンク要素の6つの自由度のバネの有無を指定し、その有効剛性を入力します。

バネ要素タイプには剛性と減衰を入力し、リンク要素タイプの汎用リンク要素には有効剛性と有効減衰を入力します。

汎用リンク要素の剛性または有効剛性は、線形静的および動的解析に使用されます。線形時刻歴解析でモード重ね合わせ法と直接積分法が使用される場合、有効減衰は、構造物に"グループ減衰"が選択されている場合にのみ適用されます。非線形時刻歴解析では、バネ要素タイプの汎用リンク要素は、入力された剛性に基づいて初期要素剛性を反映します。

そして、非線形特性に関連する場合、解析で剛性が更新されます。

一方、リンク要素タイプの汎用リンク要素は有効剛性に基づいた要素剛性を維持します。非線形特性が定義されても、剛性行列は変わりません。特に、リンク要素タイプの汎用リンク要素を用いた境界非線形時刻歴解析における有効剛性は、アルゴリズムにおける剛体動作を回避するための仮想剛性を示します。非線形解析で有効剛性の値が非常に大きい場合、繰り返し解析過程で発散する可能性があるため、適切な値を入力する必要があります。減衰および免震装置の初期剛性を指定するのが一般的です。

 

成分:6つの自由度のバネの有無と剛性および減衰を入力します。

Dx , Dy , Dz:要素座標系の x , y , z軸方向の並進自由度

Rx , Ry , Rz:要素座標系の x , y , z軸回りの回転自由度

連結形式:線形剛性および減衰の 6x6 連結マトリックスを入力します。

 


非線形プロパティ

非線形バネを定義するパラメータを入力して、非線形リンク要素の6つのバネの非線形バネ特性を指定するには、ボックスをチェックします。

このとき、非線形特性として定義できるバネは、すでに線形バネ特性を持っている自由度に制限されます。すなわち、線形バネ特性の成分確認欄が既にチェックオンされている自由度に制限が適用されます。

成分:該当自由度の非線形特性が存在するかどうかを指定するには、ボックスをチェックします。

非線形プロパティ:ボックスにチェックすると、設定用ダイアログボックスが表示されます。対応する非線形特性を定義するパラメータを入力します。

 


せん断バネの位置

Dy , Dz 自由度をチェックすると活性化され、せん断バネの位置を指定できます。このオプションはせん断変形によって生じる端部の追加的なモーメントを考慮するために使用されます。

入力形式は、全長に対する開始節点N1からの相対的な距離の割合として入力します。Dy と Dz はそれぞれ要素座標系 y軸と z軸方向のせん断バネを示します。

せん断バネの位置が指定されると両端でのモーメントにはせん断力による差 (モーメント=せん断力 x 部材長) が発生します。逆にせん断バネの位置が指定されない場合、両端のモーメントはせん断力の影響を受けず、常に同じ値です。

 


リンク要素タイプ 6つのタイプの非線形プロパティ

6種類の非線形リンク要素の個々のバネ非線形特性を定義するパラメータを入力します。

粘弾性ダンパー

粘弾性ダンパーは、線形ばねと(非)線形粘性ダンパーが6自由度それぞれに対して並列に連結されたものと、それらを節点に連結するバネで構成されます。Civil-NX では、3つのタイプの粘弾性ダンパーモデルが提供されます。

1. ダンパータイプ = マックスウェルモデル

マックスウェルモデルは、下図のように線形バネと粘性ダンパーが直列に接続されたモデルです。流体粘弾性デバイスの解析に使用されます。

マックスウェルモデルの 力-変形 関係式は以下の通りです。

減衰係数(Cd):粘弾性ダンパーの減衰定数

参照速度(V0):参照速度

NOTE.png 一般的に1.0値を入力します。長さ単位の変更によって異なるようになるため注意が必要です。

減衰特性指数(s):粘弾性ダンパーの非線形粘性減衰特性を定義する指数(粘性減衰力は変形率と反対方向に作用し、変形率の絶対値とsの累乗に比例します)

NOTE.png 粘弾性ダンパーは、ひずみに比例する線形粘性ダンパー(s=1)またはひずみのsの累乗に比例する非線形粘性ダンパー(0.0<s<1.0)としてモデル化できます。一般的に減衰指数は0.35~1.00です。

取付バネ(Kb):連結部材の剛性(Rigid Bracing)を選択し、連結部材の剛性影響を無視したり、ユーザー定義値を入力します。

2. ダンパータイプ = フォークトモデル
フォークトモデルは下図のように線形バネと粘性ダンパーが並列に連結されたモデルで、固体粘弾性デバイスの解析に使用されます。フォークトモデルの 力-変位 関係式は以下の通りです。右辺のすべての項は既知値なので、粘弾性ダンパーで作用する力を求めることができます。

ダンパーの剛性(Kd):粘弾性ダンパーの剛性

参照減衰力(Cd):粘弾性ダンパーの減衰定数

参照速度(V0):参照速度

NOTE.png 一般的に1.0値を入力します。長さ単位の変更によって異なるようになるため注意が必要です。

減衰特性指数(s):粘弾性ダンパーの非線形粘性減衰特性を定義する指数(粘性減衰力は変形率と反対方向に作用し、変形率の絶対値とsの累乗に比例します)

NOTE.png 粘弾性ダンパーは、ひずみに比例する線形粘性ダンパー(s=1)またはひずみのsの累乗に比例する非線形粘性ダンパー(0.0<s<1.0)としてモデル化できます。一般的に減衰指数は0.35~1.00です。

3. ダンパータイプ = バネ付きフォークトモデル(マックスウェル+フォークト)
バネ付きフォークトモデル(マックスウェル+フォークト)は、下図のようにバネで連結されたフォークトモデルで、振動制御デバイスとしてブレースを解析するのに使用されます。 バネ付きフォークトモデルの 力-変位 関係式は、以下の通りです。右辺のすべての項は既知値なので、粘弾性ダンパーで作用する力を求めることができます。

ダンパーの剛性(Kd):粘弾性ダンパーの剛性

参照減衰力(Cd):粘弾性ダンパーの減衰定数

参照速度(V0):参照速度

NOTE.png 一般的に1.0値を入力します。長さ単位の変更によって異なるようになるため注意が必要です。

減衰特性指数(s):粘弾性ダンパーの非線形粘性減衰特性を定義する指数(粘性減衰力は変形率と反対方向に作用し、変形率の絶対値とsの累乗に比例します)

NOTE.png 粘弾性ダンパーは、ひずみに比例する線形粘性ダンパー(s=1)またはひずみのsの累乗に比例する非線形粘性ダンパー(0.0<s<1.0)としてモデル化できます。一般的に減衰指数は0.35~1.00です。

取付バネ(Kb):連結部材の剛性(Rigid Bracing)を選択し、連結部材の剛性影響を無視したり、ユーザー定義値を入力します。

 

ギャップ
ギャップは、6つの自由度別にN1節点に対するN2節点の相対変位がバネ内部の初期間隔より大きい負の値となった時、該当バネの剛性が発現されます。また、ギャップバネと並列に連結される付加的な線形粘性減衰が入力できます。

剛性(K):ギャップバネの剛性

間隔(o):ギャップバネの初期間隔

 

フック
フックは、6つの自由度別にN1節点に対するN2節点の相対変位がバネ内部の初期間隙より大きい正の値となった時、該当バネの剛性が発現されます。また、フックバネと並列に連結される付加的な線形粘性減衰が入力できます。

剛性(K):フックバネの剛性

間隔(o):フックバネの初期間隔

 

弾塑性ダンパー
弾塑性ダンパーは、一軸塑性の特性を持つ6つの独立したバネで構成されます。また、弾塑性ダンパーバネと並列に連結される付加的な線形粘性減衰を入力できます。

剛性(k):バネの降伏前初期剛性

降伏強度(Fy):バネの降伏強度

降伏後の剛性低下率(r):降伏後の接線剛性を

降伏前の初期剛性で割った比率

降伏特性指数(s):降伏時の力-変位 関係を定義するパラメータ
(大きい値を持つほどバイリニアに近い形状となります。s値が大きすぎると収束性に影響がある可能性が高く、一般的に20以下の値を入力します。)

履歴曲線のパラメータ(α):履歴曲線の形状を決定する定数

履歴曲線のパラメータ(β):履歴曲線の形状を決定する定数

 

鉛プラグ入り積層ゴム型免震装置
鉛プラグ入り積層ゴム型免震装置に含まれた2つのせん断変形バネは、相互連関性がある二軸塑性の特性をもち、それ以外の4つの自由度の変形については、独立的な線形弾性バネの特性を持ちます。また、各自由度のバネに対しては並列に連結される付加的な線形粘性減衰が入力できます。

せん断変形バネ (Dy , Dz を選択した場合)

剛性(k):バネの降伏前初期剛性

降伏強度(Fy):バネの降伏強度

降伏後の剛性低下率(r):降伏後の接線剛性を降伏前の初期剛性で割った比率

履歴曲線のパラメータ(α):履歴曲線の形状を決定する定数

履歴曲線のパラメータ(β):履歴曲線の形状を決定する定数

 

■軸方向変形と3つの回転変形バネ (Dx , Rx , Ry , Rz を選択した場合)

剛性(k):バネの剛性

 

滑り振り子型免震装置

滑り振り子型免震装置に含まれた2つのせん断変形バネは、相互連関性がある二軸塑性の特性をもち、軸方向変形バネは内部間隔が0のギャップバネの特性をもちます。それ以外の3つの自由度の変形については、独立的な線形弾性バネの特性を持ちます。また、各自由度のバネに対しては並列に連結される付加的な線形粘性減衰が入力できます。

軸方向変形バネ(Dx を選択した場合)

剛性(k):バネの剛性

せん断変形バネ(Dy , Dz を選択した場合)

剛性(k):すべり発生以前初期剛性

低速域の摩擦係数(μs):変形速度が小さい場合の摩擦面の摩擦係数

高速域の摩擦係数(μf):変形速度が大きい場合の摩擦面の摩擦係数

摩擦係数特性のパラメータ(r):変形速度に対する摩擦係数の変化率を決定するパラメータ

摺動面の円弧の半径(R):摩擦面の曲率半径

履歴曲線のパラメータ(α):履歴曲線の形状を決定する定数

履歴曲線のパラメータ(β):履歴曲線の形状を決定する定数

回転変形バネ(Rx , Ry , Rz を選択した場合)

剛性(k):バネの剛性

 

3段摩擦振り子免震装置

3段摩擦振り子免震装置(TFPI)は、変位の振幅が大きくなるにつれて、剛性と強度が複数変化します。TFPI は、従来の免震技術と比較して、耐震性能が優れ、ベアリングコストと建設コストが低いことが知られています。ベアリングの3つの振り子のそれぞれの特性は、異なる地震の強度で順次アクティブになるように選択されています。地動が強くなると、ベアリングの変位が増加します。変位が大きくなると、有効な振り子の長さと有効な減衰が増加し、地震力とベアリングの変位が低下します。TFPI は、ローカル xy 平面で対称です。Dy プロパティコンポーネントの入力のみがアクティブになります。Dz プロパティは、Dy プロパティと同じになります。

軸方向変形バネ (Dx を選択した場合)

剛性(k):バネの剛性

 ■ せん断変形バネ (Dy を選択した場合)

剛性(k):滑り前の初期せん断剛性

摩擦係数 , 遅 (μs):低速変形速度の摩擦係数

摩擦係数 , 早 (μf):高速変形速度の摩擦係数

 必要な条件:μ (外部上端) > μ (外部下端) > μ (内部下端) = μ (内部上端)

速度パラメータ(r):変形速度による摩擦係数の変化率です

すべり面の半径(R):すべり面の曲率半径

        せん断バネの履歴曲線の形状を決定するパラメータ

 必要な条件:d (内部下端) > [ μ (外部下端) - μ (内部下端) ] x R (内部下端)

       d (内部上端) > [ μ (外部上端) - μ (内部上端) ] x R (内部上端)

 

回転変形バネ(Rx , Ry , Rz を選択した場合)

剛性(k):バネの剛性

 

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