機能
- ウィザードは、押出工法(ILM、Incremental Launching Method)の橋梁モデルで押出条件によって建設される橋の各施工段階に対応した境界条件を自動的に生成することで、施工段階を定義します。
- 施工段階をILM橋施工段階ウィザードを使用して定義する手順については、チュートリアル「押出し架設工法の施工段階解析」をご参照ください。
なお、押し出しの方向は右から左に設定されているものと仮定します。
経路
メインメニューで [ウィザード]タブ > [PC 橋]グループ > [PC箱桁橋] > [押し出し工法ステージ]
入力
押出工法ステージウィザード ダイアログ・ボックス
完成系橋脚の境界グループ |
境界グループ 完成した橋梁の橋台または橋脚を考慮した境界条件グループを選択します。ILM施工段階を定義する際、境界グループを反映することにより、各施工段階に関連する境界条件のみが自動的に考慮されます。つまり、施工段階が進行するにつれて、各段階は境界グループ内に含まれる境界条件に対応します。 |
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押出し方向 |
押出しの方向と距離を指定します。これらは、施工段階の自動生成および定義時に反映されます。押出しの距離と方向は、参照節点が開始節点から終了節点へと押し出されることを前提に、自動的に計算されます。
参照節点 押出方向指定時に参照する基準点を指定します。 つまり、手延べ桁の先端位置の節点を指定します。
開始節点 指定した基準点が押し出しを開始する位置の節点を指定します。
終了節点 押出方向を定義するためには、押出開始節点から押出方向側に位置する任意の節点を指定します。
半径 主桁が一定の曲率を有する曲線の場合、その曲率半径を入力します。この値は、押出架設工法モデルウィザードで入力した曲率半径と同じである必要があります。 反時計方向:反時計回りで押出(凹型) 時計方向:時計回りで押出(凸型) 押出距離と方向は、基準点が始点の位置から終点まで押し出されることを考慮して自動計算されます。 |
支持誤差の定義 |
セグメントの接合部と支点の偏心距離の許容値を入力します。押出し時に要素の節点位置と境界条件の位置(完成形の橋台および橋脚の位置)が一致せず、偏心(e)が発生する場合、この偏心を無視できる許容値(T)を入力します。 偏心距離(e)は、許容誤差(T)より小さいか等しくならなければなりません.(e ≦ T) |
押出し情報 |
各セグメントの押出し情報および施工段階生成時に、追加で考慮する境界条件を指定します。
押出データを修正または追加入力する場合は、ダイアログボックスのリストから施工段階を選択し、ボタンをクリックして次の事項を入力します。
押出情報を削除しようとする施工段階をリストから選択し、ボタンをクリックすると入力されている押出情報が削除されます。 Define Launching Information dialog box
押出し情報 押出し距離 選択している施工段階でのセグメントの押出し距離を定義します。一般セグメントの場合はセグメントの長さを入力し、最後のセグメントの場合は、セグメント終端部が仮設橋脚と製作ヤードを完全に離れてから、着地点である橋台に届くまでの距離を入力します。 押出距離が入力されると、押出工法ステージウィザードは各押出ステップに対応する現在アクティブな境界条件を反映したサブ施工段階を自動生成して定義します。主要施工段階は、セグメントが製作工場で完成する段階を表し、押出ステップの数と同じ数のサブ施工段階が生成されます。自動生成された最後のステップは、対応するセグメントの押出が完了した時点を示します。主要施工段階に入力された期間は、最後のサブ施工段階に適用されます。 押出工法ステージウィザードを実行した際に自動生成される境界グループおよび施工段階において、追加で生成されたサブ施工段階には「P」が割り当てられます。これらのサブ施工段階は、橋台や橋脚が手延べ桁を支える直前の瞬間を表しています。つまり、これらのサブ施工段階は、カンチレバーが最も長くなる瞬間を表すために追加定義されたものであり、その後に各支点によって支えられる直前の状態を示しています。サブ施工段階の直後の施工段階は、同一の条件を保持しますが、手延べ桁の先端に支点が設置される点が異なります。ウィザード機能によって自動生成された施工段階については「施工段階の定義」を、境界グループについては「境界グループの定義」を、荷重グループについては「荷重グループの定義」を参照してください。 ステップ 距離で入力した押出距離を達成するのに必要な押出回数を入力します。 ステージ結果の保存 各施工段階ごとの解析結果を確認するため、各段階ごとに解析結果を保存します。 ステップ結果の保存 各施工段階のStep別の解析結果を確認するために、各Stepごとに解析結果を保存します。 臨時支持条件の境界グループ 施工段階で発生する追加の境界グループ(仮設橋脚や製作工場の支持など)を有効化または無効化します。追加の境界グループはILMステージウィザードを実行する前に定義する必要があり、これらは自動生成されるサブ施工段階に反映されます。 ILMブリッジモデルウィザードが使用される場合、要素グループ、境界グループ、荷重グループは自動的に生成されます。 |
開く... |
これは、ILMステージウィザードで保存された*.wzdファイルとしてデータを読み込む機能です。この機能を使用することで、以前保存したデータをウィザードで再度開き、修正したり、Civil NXを再起動した後に再確認したりすることができます。 |
別名で保存... |
入力データを*.wzdファイルとして保存するILMステージウィザードの機能です。 |
ウィザードで生成されるグループ |
押出工法ステージウィザードの機能を利用して橋梁をモデリングした場合、自動的に生成されるグループの名称は次のとおりです: 要素グループ Nose:手延べ桁(施工段階CS1に活性化) Segment n: n番目のセグメント(施工段階CSnに活性化) Bridge 桁 : 手延べ桁を除いた全ての主桁
境界条件グループ Final:完成系(Final System)の支持条件 Temporary:製作場及び仮設橋脚による支持条件 CSn-Dfmm 施工段階 CSn-m における境界条件(変形位置の割り当て) CSn-Orgm 施工段階CSn-mの境界条件(初期位置に割り当てられたもの) 手延べ桁が橋脚によって支えられる直前の境界条件。(施工段階CSn-mPで有効化され、次の段階で無効化されます) CSn-OrgmP 手延べ桁の先端が橋脚によって支えられる境界条件。(施工段階CSn-mPの後、施工段階CSn-mで有効化され、次の段階で無効化されます)
荷重グループ 自重:要素の自重(施工段階CS1で活性化され、要素の生成と同時に適用される) TB-Prestress n : 施工段階CSnで緊張される1次PC鋼材の緊張力 Web-Prestress:2次PC鋼材(腹部PC鋼材)の緊張力(最終施工段階の直前の施工段階で活性化) |