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PSC Bridge Option 作成 編集

PC桁 -断面&鉄筋

機能

  • 橋梁の橋軸方向の距離に応じた断面変化を定義したり、鉄筋情報を入力する機能です。
  • 断面変化の定義:固定支保工工法や張出架設工法による橋梁のPC箱桁の変断面区間では、梁断面のすべての部分が一様に変化するわけではなく、多くの場合、各断面部分のサイズがそれぞれ異なる形で変化します。たとえば、上部フランジの厚さは一定で、下部フランジは2次曲線に沿って厚さが変化し、ウェブ部の厚さは1次曲線に従って変化する場合などが挙げられます。このような場合、既存のテーパー断面グループ機能では実際の断面変化をモデリングするには限界があり、テーパー断面グループ機能を適用した後、詳細な部分をユーザーが再度修正する必要があります。しかし、ここで説明する断面変化の定義機能を利用することで、橋梁の橋軸方向の距離に応じた各断面部分のサイズ変化を定義でき、より精密なモデリングが可能となります。

  • 鉄筋情報の入力:midas Civil 2006 に組み込まれたPC桁断面の鉄筋機能を使用することで、ユーザーはPC桁型断面に対して鉄筋情報(主筋、せん断鉄筋、およびねじり鉄筋)を入力することができます。この方法は各断面ごとに鉄筋情報を入力するため、橋軸方向に鉄筋が変化するPC箱桁橋には適用できません。そのため、この機能を使用して橋軸方向の鉄筋の変化をモデル化するには、要素を細かく分割し、各断面に鉄筋を定義する必要があり、若干の不便さがあります。しかし、断面&鉄筋機能を使用して縦方向に沿った鉄筋情報を入力すれば、プログラムが自動的に要素を分割し、各断面を定義します。これにより、特定のモデルを生成するために必要な時間を大幅に短縮できます。

    断面寸法変化および鉄筋情報の入力を完了した後、ウィザードを実行すると、断面寸法の変化情報および鉄筋配筋情報に基づいて自動的に要素が分割され、変断面が生成されます。また、各断面に対する鉄筋情報も自動的に入力されます。
  • 適用可能断面 : PC 断面のうち 1CELL、2CELL、nCELL、nCELL2、TEE、CMPWEB に対応しています。 T断面を除くすべての非対称断面はサポートされていません。

 

経路

  • メインメニュー:[ウィザード]タブ > [PC橋] > [PC桁]> [断面&鉄筋]

 

入力

 

断面&鉄筋_「断面」タブのダイアログ・ボックス

 


分割許容誤差

断面サイズの変化および鉄筋情報の入力により、要素が自動的に分割されますが、このとき自動要素分割点、すなわち新しく自動的に生成される節点の位置と、既存のモデルに存在する節点との距離が 0.001 m(基本値)以下の場合には、分割されず(節点を生成せず)、既存の節点が使用されます。これは、要素の自動分割によって微細な要素が多数発生するのを防ぐためです。


断面

橋梁の橋軸方向の距離に応じた断面サイズの変化を定義します。


橋梁名

支間情報から、支間情報が定義された桁の中から断面寸法が変化する桁を選択します。 定義されていない場合は、右側のボタンをクリックして新しい桁を定義できます。


標準断面

断面サイズの変化を定義する際、基本となる断面を選択します。基本値としては、上で選択した桁に定義されている断面の中から1つを選択します。


支間情報

選択された桁の支間長情報が表示されます。


現在断面情報を他の橋梁にコピーする...

現在の桁に定義されている断面寸法変化情報を別の桁にコピーします。

 

NOTE.png

このウィザードは、支間情報で割り当てられた断面に対して追加の断面を作成します。追加された断面には、元の名前の末尾に追加文字が付加された名前が割り当てられます。追加される文字数は最大で7文字です。そのため、支間情報で割り当てられる断面の名前の長さは、21文字以内にしてください。

 


高さの変化

高さの変化はウェブ部の長さが変化することであり、ウェブ部とハンチの傾斜角度は変化しません。ウェブ部の内側と外側の勾配が異なる場合でも、傾斜角度は変わりません。ただし、T断面の高さが変化する際には、例外的にウェブ部下部の厚さは変化しません。

 


幅の変化

フランジ両端の位置変化に伴う幅の変化を反映します。このとき、両端のフランジの端部の厚さは変化しません。したがって、フランジ下部の角度が変化します。


フランジの厚さの変化

フランジの厚さは箱桁の内側のフランジの中央部の厚さを基準にしており、内側のフランジの厚さのみが変化します。


ウェブ部の厚さの変化

ウェブ厚は、ウェブの法線方向の厚さです。外部ウェブの場合、ウェブの内側が変化し、内部ウェブの場合は、ウェブの両側が変化します。


高さタブ/幅タブ/外部内部ウェブ厚さ/内部ウェブ厚さタブを選択する場合 

参照ライン  : 断面変化を入力する際、参照ラインを基準で距離を入力します。選択可能な基準線は各支点の位置になります。

距離 : 参照ラインからの (+, -)距離を入力します。

単位:現在の位置からの断面サイズを入力します。

曲線タイプ :現在の位置から次の位置までサイズが変化する関数の形態を入力します。 (曲線または直線)

指数型 : 曲線タイプで曲線を選択した場合、曲線の指数を入力します。

対称面位置:曲線タイプで曲線を選択した場合、曲線の対称軸の位置を入力します。対称軸の位置は参照ラインで選択する基準線(支点)からの距離で入力します。


上部フランジ厚さ タブ/下部フランジ厚さ タブを選択する場合

ハンチ干渉

上部/下部のフレンジの厚さが変化する場合、ハンチ部との関係を設定します。

チェックする場合 : 

フランジの厚さが変化する場合、フランジの上端(上部フランジの場合には下端)がハンチ部に挿入され、ハンチ部の長さが短くなります。

チェックしない場合 : 

次の図のようにフランジの厚さが変わり、ハンチ部のサイズは変化しないまま位置だけ変更されます。

その他の項目に関しては、他のタブと同様です。

 

[例]

次のような箱桁断面に橋軸方向距離による高さの変化を適用する例です。

 

断面サイズの変化を適用する前

 

断面の高さの変化を入力したダイアログ・ボックス

 

 

断面サイズの変化を適用した後

 

断面の変化情報に応じて要素が自動的に分割され、各要素に合った断面が自動的に生成されます。


鉄筋

橋梁の橋軸方向の距離に応じた鉄筋配筋の情報を定義します。

 

橋梁名

支間情報から、鉄筋情報を定義する桁を選択します。定義されている桁がない場合は、右側のボタンをクリックして新しい桁を定義することも可能です。

 


「橋軸方向鉄筋」タブ を選択する場合

始点鉄筋の始点を入力します。

参照点

鉄筋の開始点を定義するための基準点を入力します。基準点は支点または支間の10等分点で表現されます。

距離

基準点で、定義された基準点からの距離を入力します。入力された位置から鉄筋の入力が開始されます。入力値はマイナスも可能です。

 

終点:鉄筋の終点を入力します。

参照点

鉄筋の配筋が終わる点を定義するための基準点を入力します。基準点は支点または支間の10等分点で表現されます。チェックボックスでチェックすると始点で定義された基準点を基準点として使用します。

距離

基準点で定義されている基準点からの距離を入力します。入力された位置まで鉄筋が入力されます。入力値はマイナスも可能です。

 

直径 : 鉄筋直径を選択します。

: 鉄筋の個数を入力します。

面積:入力された鉄筋の全断面積を示します。

参照Y断面内の縦方向鉄筋の横方向の位置を入力するための基準点を指定します。「中心」は鉄筋の図心が断面の中央になるように配置し、「左側」は鉄筋を断面の左端から配置します。

Y:参照Y(指定した基準点)から縦方向鉄筋の図心までの横方向の移動距離を入力します。

参照Z: 断面内の縦方向鉄筋の鉛直方向の位置を指定するための基準点を指定します。上部 (断面の上段)と下部(断面の下段)のどちらかを選択します。

Z:参照Z(指定した基準支点)から鉛直方向に離れた距離を入力します。参照Zで上部を選択した場合、断面上段から縦方向鉄筋の位置は、下の方向が "+"になります。参照Zで下部を選択した場合は、断面下段から縦方向鉄筋の位置は、上の方向が "+"になります。

 

間隔属性:このオプションをチェックすると、鉄筋定義の区間(始点から終点まで)で、始点と終点の鉄筋の間隔が等間隔で入力されます。

間隔 [S]:鉄筋定義の区間の始点からの鉄筋間隔

間隔 [E]:鉄筋定義の区間の終点からの鉄筋間隔

 

定着長... : 定着長を考慮して鉄筋の長さを定義します。

鉄筋の実際の始点と終点を入力します。 入力した鉄筋の長さから定着長を差し引いて、解析に使用する鉄筋長を決定します。定着長は鉄筋径を基準に入力し、係数を適用 します。 解析に使用する鉄筋長さは、以下の式で求められます:「入力された鉄筋長さ - (係数 × FDL)」

定着長は上部鉄筋と底部鉄筋で異なる値を適用可能です。「Ref. Z」で「Top」を選択し、Z を入力すると、上部鉄筋に対して定着長が適用されます。「Ref. Z」で「Bottom」を選択し、Z を入力すると、底部鉄筋に対して定着長が適用されます。

 

係数:鉄筋の長さを計算する係数を入力します。係数の範囲は0~1です。

FDL:全定着長

FDL(全定着長)は鉄筋の直径を基準とし、鉄筋の長さは次のように計算されます:

長さ = 係数 x FDL(全定着長)

 

Dev. Length:定着長を適用する位置を入力します。

Both

始点と終点を定着長と同じ距離に移動します

Start

始点と終点を定着長と同じ距離に移動します。

End

終点を定着長と同じ距離に移動します。


せん断鉄筋 タブを選択する場合

斜引張鉄筋

斜引張鉄筋が設計に含まれている場合に選択します。

間隔:斜引張鉄筋の間隔を入力します。

角度:斜引張鉄筋の勾配を入力します。

Aw:腹部全体の斜引張鉄筋断面積を入力します。

ウェブ用の鉄筋

せん断補強筋による斜引張応力を計算する際に、このオプションを選択します。

間隔:せん断補強筋の間隔を入力します。

角度:せん断補強筋の勾配を入力します。

Ap:ウェブ部全体のせん断補強筋の断面積を入力します。

Pe:ウェブ部全体のせん断補強筋に導入される有効緊張力を入力します。

せん断低減係数:有効緊張力の低減係数(Pe)を入力します。

ねじり鉄筋

ねじれ鉄筋を設計に反映する場合に選択し、関連データを入力します。

間隔: 横方向のねじれ鉄筋の間隔を入力します。

Awt:横方向のねじり鉄筋の断面積を入力します。

Alt:軸方向のねじれ鉄筋の断面積を入力します。

閉鎖型断面積を計算するための閉鎖型スターアップの使用

ねじれモーメントの計算に使用される閉鎖断面を算出するために必要なデータを入力します。

被覆厚さ : 閉鎖スターラップのかぶり厚を入力します。

フランジの張り出す部を含む:I型断面のフランジ、ボックス型断面の張り出し部分も閉鎖断面の計算に含まれます。

NOTE.png 閉鎖スターラップのデータを入力しない場合、ボックス型断面の場合はウェブ部厚さの1/2をかぶり厚さとし、T型断面の場合はかぶり厚さを0と仮定し閉鎖断面積を計算します。

NOTE.png 鉄筋入力に関する内容は、材料/断面>断面>断面マネージャーでも確認できます。


[例]

次のようなボックス断面における縦方向の距離に応じた鉄筋配筋情報を入力した例です。

 

鉄筋配筋の適用前

 

軸方向の鉄筋情報を入力したダイアログ

 

鉄筋情報入力後

 

鉄筋情報を生成した後、断面情報マネージャー機能で鉄筋の詳細を見ることができます。

 

鉄筋入力情報により自動的に要素が分割され、各断面に合わせて鉄筋情報が自動的に生成されます。

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