機能
- 線要素(トラス要素, 引張専用要素, 圧縮専用要素, ケーブル要素, ギャップ要素, フック要素, 梁要素)の断面性能を入力します。
- PC タブでは、プレストレストコンクリート部材の断面性能データを入力します。
- 入力可能なPC ボックス断面形状は、PC-1室/2室, 3室, n室, MID, I, HALF, T, 板 の9つに分けられており、多用な形状が定義できます。
経路
メインメニュー: [材料/断面] タブ > [断面] グループ > [断面] > [PC]
入力
断面-PC ダイアログボックス
継目 On/Off
断面でサイズが変わる部分を追加で定義しようとする場合に、案内図での継目番号をチェックオンすると、その位置の入力欄が活性化され、追加で断面サイズを入力することができます。
JO1, JO2, JO3:ガイド図を参照して外部項目にある地点を選択的に入力します。
JI1, JI2, ..., JI5:ガイド図を参照して内部項目にある地点を選択的に入力します。
断面形状
断面内の室の個数を指定します。
せん断検討
PC断面でせん断に脆弱な部分に対するせん断力を計算します。ユーザーによる直接入力が可能で、せん断検討位置を “自動” と指定した場合は、断面-PCダイアログのZ1、Z3位置のように腹部上端と腹部下端でせん断を検討します。
Z1:ウェブの中心から上部フランジの下側までの距離
Z3:ウェブの中心から下段フランジの上方までの距離
せん断検討位置を “自動” と指定すると、PC断面形状に基づいてプログラムが次の位置で自動的にせん断を確認します。
ウェブ厚さ
PC断面でせん断に脆弱な部分に対するせん断力を計算します。ユーザーが直接入力が可能で、せん断検討位置を “自動” に指定した場合は、断面-PC ダイアログにある Z1、Z3位置のように腹部上端と腹部下端でせん断を検討します。
せん断用(全体):せん断応力計算のために必要な腹部最小厚さを入力します。せん断に有効な断面になるように、要素座標 y軸方向の腹部厚さを入力します。
t1:せん断検討位置 Z1 における腹部厚さの合計
t2:せん断検討位置 Z2における腹部厚さの合計
t3:せん断検討位置 Z3における腹部厚さの合計
ねじり用(最小):ねじり応力計算のために必要な腹部の最小厚さを入力します。ねじりに有効な断面になるように、腹部厚さの最短距離を入力します。ウェブが 3 つ以上の場合は、最外殻腹部厚さを入力します。
t:ねじりモーメントに対するせん断検討時のウェブ厚さ (tT)
剛性計算用のメッシュサイズ:PC断面剛性計算のためのメッシュサイズを入力します。細かく分割するほど正確な値を得ることができますが、断面定数計算時間が多く必要となるため、適正なサイズを入力します。最大サイズは、入力した断面の最小厚さよりも小さい値で入力します。
外部
外側の寸法
HO1, HO2, ...:ダイアログボックス内の左側のガイド図を参照して、寸法を入力します。
内部
内側の寸法
HI1, HI2, ...:ダイアログボックス内の左側のガイド図を参照して、寸法を入力します。
テーブル入力...
PC断面データを表形式で入力します。入力すべき項目が多く、スプレッドシート形式での入力が便利です。よく使用する断面データは、後で使用できるようにエクセルデータとして保存できます。
図心の表示...
断面の中心を表示します。
断面表示
寸法および断面形状に基づいて、断面を実際の縮尺で表示します。
PC 断面タイプ
様々な形態のPC断面形状を入力することができます。
:一般的な 1-室および 2-室 PCボックス断面
:3室 PCボックス断面
断面の主要サイズに基づいて計算されたデータテーブルが表示されます。
デフォルト:3室のPC断面の基本サイズを入力
オプション:継目 On/Offで、on にした部分に対するサイズを入力
: n室 PCボックス断面
タイプ:PC ボックス断面のウェブタイプの割り当て(PC 断面表示参照)
サイズ:PC ボックス断面のサイズを入力
:n室2 PCボックス断面
室数:室の個数
対称:断面が対称であるかどうかを選択(このオプションを選択解除すると、右側入力欄が有効になります。)
室タイプ:室タイプの選択
ポリゴン:多角形
円形:円形
側面穴:丸穴を含めるかどうかを選択
左側:左側 PC 断面の形状
右側:右側 PC 断面の形状(非対称の場合は活性化)
:中間 PCボックス断面
対称:断面が左右対称であるかを選択します。チェックオフすると、右の入力欄が有効になります。
室タイプ
左側:なし,円形,多角形 の中から断面形状を選択します。
PC断面の Ixx を計算するには、Haunchを考慮した最小フランジ厚値を使用します。
傾斜上部フランジの場合、
ここで、Am,ts および ds はそれぞれ閉端面積、最小厚さ及び断面長さを示します。
t1~t6 は最小の厚さであり、ta~td のうち最小の厚さで上部フランジ厚さ(ta、t5)が決定されます。
d1~d6 は各辺の長さを示します。Am は断面の外郭線と平行に走り、最も小さな厚さの中心点を通る線で、境界を成す閉じた領域を示します。
:I タイプ PCボックス断面
対称:断面が左右対称かどうかを選択します。チェックオフすると、右の入力欄が有効になります。
断面名:ユーザーは "なし" を選択して断面サイズを手動で入力するか、または内蔵データベースのAASHTO および複数の DOT 標準断面のいずれかを選択することができます。これらのDOTは、Caltrans(カルトランス)、Iowa DOT(アイオワ DOT)、Mouriso DOT(ミザリー DOT)、Ohio DOT(オハイオ DOT)、Texas DOT(テキサス DOT)、Virginia DOTT(バージニアDOT)、およびWisconsin SDOT(ウィスキソンDOT)です。
AASHTO または DOT のいずれかを選択すると、次のように該当する標準断面が一覧表示されます。
AASHTO
Caltrans
IADOT
MoDOT
ODOT
TXDOT
VADOT
WIDOT
:PCボックス 半断面
室タイプ
継目 On/Off:継目 On/Offで、on にした部分に対するサイズを入力
外部:外側寸法
HO1, HO2, ...:ガイド図を参照して、サイズを入力
内部:内側サイズ
HI1, HI2, ...:ガイド図を参照して、サイズを入力
格子モデルを使用してマルチセルPCボックスをモデリングする場合、外部セクションにはPC-Halfを使用し、内部セクションにはPC-Midを使用することがより容易になります。
:T形 PC ビーム断面
:内部に円形または多角形の孔を有する断面
断面形状:半分,1室,2室 から選択
半分:左と右の中から選択します。
1 室:円形,多角形から選択します。
2 室:円形の2室 断面を入力できます。
:任意の PC 断面
座標から定義...:座標入力を使用してPC 断面を入力します。
入力方法
X, Y:絶対座標を入力して、多角形を定義します。
DX, DY:ポリゴンがなす角ポイントでの増分を用いて多角形を完成させます。
読み込み:座標入力によって定義した断面データ (*.uds) を読み込みます。
書き出し:座標入力によって定義した断面データを *.uds 形式で書き出します。
断面データ
DB...:英国,イタリア,アメリカ等のPC断面データベースが提供します。
複数のDOTの標準断面は、PC データベースでUSAオプションとして実装されます。
そのDOTはアイオワDOT(IADOT)、イリノイDOT(ILDOT)、マサチューセッツDOT(MassDOT)、ルイジアナDOT(LADOT)、オハイオ DOT(ODOT)、ロードアイランド DOT(RIDOT)、テキサス DOT(TX DOT)、ウィスコンシン DOT(WIDOTT)です。
選択したDOTタイプごとに、'DB 選択' ボックスの下にそのセクションが一覧表示されます。
SPCから読み込み...:ボタンをクリックして *.sec ファイルを読み込みます。断面データを読み込むと、SPC で計算された断面定数と形状が入力されます。
設計パラメータ:PC 断面表示を参照して設計に使用する断面サイズを入力します。サイズは、せん断強度を計算するために使用されます。T2 に 0 を入力すると、プログラムは自動的に断面を Te 断面として認識し、BT をウェブの厚さとして使用します。閉断面と開断面のパラメータは、次式を使用して計算します。
断面タイプ別設計サイズの入力方法
1. 閉断面
PC 断面表示を参照して入力します。
2. T形状(開放区間)
T 断面設計の場合、T2 に対して 0 を指定します。
ウェブの厚さは「ねじり用厚さ(最小)」で指定し、フランジの幅は断面特性の y1 と y2 の間の距離で指定します。つまりBTは影響を及ぼしません。
3. I shape(開放区間)
また、I端-断面の設計では、BT に対して 0 を指定します。
上段および下段フランジの厚さは、それぞれ T1 及び T2 によって指定し、ウェブの厚さは「ねじり用厚さ(最小)」によって指定します。
上段および下段フランジの幅はそれぞれ y1 から y2 までの距離と y3 から y4 までの距離で指定します。
閉断面:
開断面:
ここで、F は板の閉断面による面積を示し、t は板の厚さを示します。
中国の設計基準を適用する場合、Roark's 式が使用され、計算式は以下の通りです。
ねじり用厚さ(最小):せん断応力を計算するために必要なフランジの最小厚さを入力します。ねじりに有効な断面となるようにフランジ厚さの最短距離を入力します。
せん断検討:PC断面の脆弱区間のせん断力を計算するために、"せん断検討" を選択し、Z1とZ3に対する値を入力します。Qy 値とフランジ厚さを直接入力するか、「自動」オプションを選択して自動計算します。
この断面は、“テーパー断面グループ” で定義することはできませんし、施工段階の合成断面でも使用することができません。
詳細については、「SPC を利用した任意断面形状の計算」を参照してください。
:波型鋼板ウェブ付きPC断面
対称:対称断面の場合にチェックします。
ハンチ:ハンチを含んだ断面の場合にチェックします。
波型ウェブ:波形プレートのサイズを入力します。(案内図参照)
材端固定度:材端固定度(β),設計座屈強度計算のための係数です。
長さ減少率:長さ減少率(η),設計座屈強度計算のための係数です。
材料:断面の材料データを入力します。
DBから材料選択...:材料をデータベースから読み込みます。
Es/Ec:鋼材とコンクリートの弾性係数比を入力します。
Ds/Dc:鋼材とコンクリートの重量比を入力します。
Ps:鋼材のポアソン比を入力します。
Pc:コンクリートのポアソン比を入力します。
作れる最大空隙の数は21個です。
外部
外側断面のサイズを入力します。
HO1, HO2, ...:ダイアログボックス左の寸法ガイドを参照し、サイズを入力します。
内部
内側断面のサイズを入力します。
HI1, HI2, ...:ダイアログボックス左の寸法ガイドを参照し、サイズを入力します。
テーブル読み込み
“テーブル入力” ボタンをクリックして、PC断面データを表形式で入力します。PC断面の場合、入力項目が多いので、スプレッドシート形式で入力するのが便利です。頻繁に使用する断面の場合、Excelデータに保存しておくと、コピーして入力できます。
表を使用してPC断面データの入力